男子 大会展望

Aブロック
  慶應義塾大学青山学院大学がベスト4進出をかけて対決することが予想される。
 1部昇格一年目にして関東リーグを制した慶應義塾大学は、その勢いで日本一を狙う。得点能力抜群の両ウィング#5石田、#9辻内や、脅威的な高さでインサイドを支配する#13竹内、内外どこからでも得点できる#12酒井と、攻め所に困ることがない。そしてゲームをコントロールし、この四人へパスを供給していくのが関東リーグMVPの#4志村。彼が創り出すスピーディーなゲームで毎試合ハイスコアを叩き出す。唯一の不安材料は選手層の薄さか。一週間の連戦をスターター5人で乗り切るのは厳しい。#6関ら控え選手が自分の役割を果たせるかどうかが鍵になるであろう。
入れ替え戦の末、見事関東1部リーグ昇格を決めた青山学院大学は、春の関東トーナメントでも準優勝しており、その力は侮れない。強さと巧さを兼ね備えたC#7佐藤がインサイドを支配し、爆発力のあるシューター#10岡田が外から射抜く。そしてチームの持ち味であるスピーディーなゲームを展開する要となるのが#4鈴木。全員で走り勝つゲームを目指す。
塚本ヘッドコーチのもと、新体制1年目の集大成として良い結果を残したい明治大学にも注目だ。核となるのはアウトサイドでは#8神崎(剛)の3Pシュート、インサイドでは#10黒田のゴール下、リバウンド。また関東リーグで揉まれた下級生の成長にも期待したい。


Bブロック
 実力伯仲の法政大学日本大学早稲田大学の3チームのうちどの大学が抜け出るかが見所であろう。
法政大学は、関東リーグ終盤で勝ち星を伸ばし、4位シード枠を勝ち取った。2、3年生主体の若いチームではあるが、今シーズンの関東の大会では全てベスト4に入っており、今大会も注目である。#4山田を始めアウトサイドには良い選手が揃っている。インサイドでは#7亀井が上背はないが安定した働きでチームを支え、U-24日本代表などで経験を積んだ#9町田がゴール下を守る。#8高久がコンスタントに点が取れるだけにファールトラブルを避けて最後までコートで暴れて欲しいところだ。
ディフェンディングチャンピオンの日本大学は、司令塔#4日下、身体能力の高いエース#7蒲谷、ゴール下の守護神#11城間と、昨年のスターターが3人残っており、今大会も上位進出を狙う。関東リーグで大きく成長した、ともにサウスポーの点取り屋#9呉屋、#12菊地の二人のオフェンス能力は必見である。
早稲田大学はPGながら得点、リバウンドにも絡むオールラウンダー#10菅原、美しいフォームから3Pシュートを沈めていくシューター#11高木に期待がかかる。またインサイドは高さに苦しむことが予想されるが、#14田上、#16近森らが切れのあるプレーでハンデを補う。
また、「シューター軍団」順天堂大学は今年も健在である。1試合平均30得点を稼ぎ出すエース#5君塚を筆頭に、1試合10本はコンスタントに3Pシュートを沈めてくる。いつでも爆発する危険性があるだけに、このチームを相手に’セーフティーリード’というものはない。 今大会のダークホース的存在になるかもしれない。


Cブロック
 関東の強豪チームがひしめき合う激戦ブロックとなった。
過去最多の優勝回数を誇る日本体育大学の中心となるのは、インサイドの#8大西、#9野口、アウトサイドの#10新井、#11与那嶺の3年生カルテットだ。中でも#8大西が「グリズリー」の如く暴れられるかにチームの浮沈がかかってくるだろう。そして3年生4人を主将#4佐藤が引っ張っていく。ポジションも丁度中と外をつなぐ存在で、彼がチームを一つにまとめ、「タッチ・ザ・フロア」でディフェンスの意識を高めることができれば優勝も十分に狙える。
昨年準優勝の大東文化大学は、今シーズンはあまり良い結果を残せていないが、関東リーグ後半からチームにまとまりがでてきたように感じられる。#4月野のキャプテンシー、日本代表にも選ばれた#5西塔のオールラウンドな活躍に期待したい。そして#10高橋、#13金城らニューフェイスの頑張り次第で上位進出も十分有り得る。
関東2部リーグ降格が決まり、チームの士気が下がりかけている筑波大学だが、自分達のバスケットができればどこにでも通用する力を持っているだけに今大会も目が離せない。#4瀬戸山、#5井上ら4年生が最後の奮闘を見せられるか。今シーズンは好不調の波が激しい#4瀬戸山だが、彼本来の得点能力を発揮できるかがチームの浮沈の鍵になるだろう。
昨年関東2部リーグ所属ながら第3位に輝いた
拓殖大学は、今年も惜しくも1部昇格はならなかったが関東トーナメントでは第3位に入っており、今大会も’拓大旋風’を予感させる。乗っている時の#5伊藤のドライブは誰も止められない。他にも#8加々美、#10長谷川などオフェンス力抜群の選手が揃っている。


Dブロック
 様々な地区からの代表校が集まり、地域色豊かなブロックとなった。
昨年優勝候補に挙げられながらもベスト4進出を逃した専修大学だが、今年も十分優勝に手が届く位置にいる。パワーでは誰も対抗できない#9長澤、リバウンドだけでなく関東リーグに入ってチームのトップスコアラーに成長した#10波多野、驚異的な身体能力でリバウンド、ブロックショットを量産する#13大宮のフロントラインは強力である。そしてアウトサイドには抜群のドリブルテクニックと正確無比な3Pシュートを持つ#6中川(和)、堅実にチームをコントロールする寡黙なPG#15小淵と、まさに穴のない布陣である。
関東2部リーグを制し、初の1部リーグ昇格を果たした東海大学は、今一番波に乗っているチームの一つだろう。独特のゲームメイクで試合をコントロールする#11石崎、関東リーグから成長著しい#17小林らG陣は安定した働きでチームに貢献。インサイドには203cmの大型CF#15竹内を始め長身選手が揃う。また高確率で長距離シュートを決める#8池田らがベンチに控え、選手層も厚い。
14年連続で東海を制して今大会に乗り込んできた愛知学泉大学は今年が勝負の年である。#4南部、#5桜井に期待がかかる。ジュニアオールスター時代からコンビを組んできた二人の最後の大会で有終の美を飾りたい。
今大会関東勢のベスト8独占を阻止するのは学生選抜大会で関東を破り優勝した関西勢か。中でも学生選抜MVPの#4加藤、日本代表215cmの長身C#9菅谷を擁する京都産業大学は、ベスト8、更に上を狙える力を持っている。


(C)Japan Collegiate Basketball Federation.